[メイン2] スペランカー : ─────そーんなわけで、たまにはこういう豪遊もいいっしょ!ってことで

[メイン2] スペランカー : 新しいカップ麺に、店員さんから勧められたチキンに、ソラちゃんって女の子からオススメしてもらったお菓子を、いっただっきま~っす。

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー : 「─────ふぅ」

[メイン2] スペランカー : そして食べ終わり、腹が満たされていく感触を感じる。
自分のお腹を撫でまわしながら、幸せそうな顔を作り。

[メイン2] スペランカー : そして。

[メイン2] スペランカー : 真顔になった。

[メイン2] スペランカー : 「…………満たされない」

[メイン2] スペランカー : 低い声で、そうぽつりと漏らして。

[メイン2] スペランカー : 「結局私は………あの大冒険を経て、一体何を得たんだろう」

[メイン2] スペランカー : ゆっくりと立ち上がり、ベランダへと足を運ぶ。

[メイン2] スペランカー : 「……小さい頃からの夢、叶えたかった夢」

[メイン2] スペランカー : 「探検家になって、そして誰もが見た事ないような……金銀財宝をゲットして、それで……」

[メイン2] スペランカー : 「…………?……そこからは……」

[メイン2] スペランカー : ………何も、考えていなかった。

[メイン2] スペランカー : 考えていなかったから、新しい道がずっと、得られなかった。

[メイン2] スペランカー : 何か私は、大事なものを過去に置いていってしまったのかもしれない。

[メイン2] スペランカー : でも、それはもう……過ぎてしまったお話。

[メイン2] スペランカー : 「……な~んか」

[メイン2] スペランカー : 「飽きちゃったな~」

[メイン2] スペランカー : にこりと笑いながら、私は夜空の星に話しかけた。

[メイン2] スペランカー : 「まぁ、でも、こういうもんだよね」

[メイン2] スペランカー : 「この先私には、な~んにもさ、何かを挑戦したいって思えるような」

[メイン2] スペランカー : 「そんな気持ちが一切浮かばず、減らない通帳の額だけ見ながら、何か必死に楽しいことを探して」

[メイン2] スペランカー : 「探して、探して、探して、探して」

[メイン2] スペランカー : 「結局、なんも見つからずに、この齢までなっちゃったよ」

[メイン2] スペランカー : 「あはは~!」

[メイン2] スペランカー : 返ってくる反応は、何も無かった。
でも、それがなんだか、心地良くも思えた。

[メイン2] スペランカー : 「まぁ、じゃあ」

[メイン2] スペランカー : 「………リセットでも、しよっかなー」

[メイン2] スペランカー : ベランダの柵に登り、足をぶらつかせながら
夜の風に身を打たれて、黄昏ながら。

[メイン2] スペランカー : ゆっくりと

[メイン2] スペランカー : 体を

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー : 落とした

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー : 真っ逆さまに

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2] スペランカー :  

[メイン2]   :  

[メイン2]   : 次の日に、こういったニュースが流れることだろう。

[メイン2]   : 『こんにちは、お昼のニュースです』

[メイン2]   : 『昨夜、〇〇マンションの最上階より、スペランカー(29)、職業無職の女性が飛び降りが発生しました』

[メイン2]   : 『警察当局では、関係者を洗い流し、事件か事故かの捜査を行なっております』

[メイン2]   : 『では、次のニュースです─────』

[メイン2]   :  

[メイン2]   : 誰もが羨むような大金を手にしたところで

[メイン2]   : 関心など、向けられないものだ。

[メイン2]   : 価値があるのは、金だけ。

[メイン2]   : 人間に価値などつけられないというのは、正しいだろう。

[メイン2]   : 何故なら

[メイン2]   :  

[メイン2]   :  

[メイン2]   : 無価値なのだから。

[メイン2]   :  

[メイン2]   :  

[メイン2]   :